形態素解析システムMeCab入門

2018-02-04

公式

  • 環境構築
  • 使い方
  • Node.js から Mecabを使う
  • Python3 から MeCab を使う

環境構築

インストール

$ brew install mecab
$ mecab --version
mecab of 0.996

辞書の追加

このままでは辞書がないので追加する。
辞書の場所は /usr/local/lib/mecab/dic/ 配下。

mecab-ipadic-neologd のインストール

$ git clone --depth 1 https://github.com/neologd/mecab-ipadic-neologd.git
$ cd mecab-ipadic-neologd/
$ ./bin/install-mecab-ipadic-neologd -n -p /usr/local/lib/mecab/dic/neologd

最後に本当にインストールするか聞かれるから yes or no をタイプする。
なお、筆者の環境では足りなかった以下のコマンドを追加した。

$ brew install xz

デフォルトの辞書を変更する

mecab -d /usr/local/lib/mecab/dic/neologd/ でも辞書を指定して実行できるが、めんどくさいのでデフォルトを変更する。
/usr/local/etc/mecabrc の以下を変更する。

dicdir =  /usr/local/lib/mecab/dic/ipadic
# 以下のように変更
dicdir =  /usr/local/lib/mecab/dic/neologd

使い方

インタラクティブモードは以下。(そのままコマンドを打つ)

$ mecab
おはよう
おはよう	感動詞,*,*,*,*,*,おはよう,オハヨウ,オハヨー
EOS

第一引数にファイルを指定することもでき、 -o オプションで出力も可能。

$ mecab [入力ファイル] -o [出力ファイル]

形態素の見方

表層形\t品詞,品詞細分類1,品詞細分類2,品詞細分類3,活用型,活用形,原形,読み,発音

「表層形」は文章からそのまま抜き出した形。
なお MeCab の品詞体系は IPA品詞体系というものが使われている。(茶筅と同じ)

未知語推定

MeCabには未知語を推定する機能があり、デフォルトでは有効。
未知語を抽出したい場合は -x--unk-feature )で未知語の表示形式を指定して実行する。

$ mecab -x "undef"
にゃほにゃほたまくろー
に      助詞,格助詞,一般,*,*,*,に,ニ,ニ
ゃほにゃほたまくろ      undef
ー      undef
EOS

ユーザ辞書の追加

自分で単語を登録したいときの方法。
csv ファイルに 1 行 1 単語で以下の形式で作成する。

表層形,左文脈ID,右文脈ID,コスト,品詞,品詞細分類1,品詞細分類2,品詞細分類3,活用形,活用型,原形,読み,発音

例えば以下。

にゃほにゃほたまくろー,1223,1223,6058,名詞,固有名詞,人名,名,*,*,ニャホニャホタマクロー,ニャホニャホタマクロー,ニャホニャホタマクロー
  • 左文脈ID
    • その単語を左から見たときの内部状態ID
    • /usr/local/lib/mecab/dic/neologd/left-id.def から該当する ID を選択
    • 空にしておくと mecab-dict-index が自動的に ID を付与する
  • 右文脈ID
    • その単語を右から見たときの内部状態ID
    • /usr/local/lib/mecab/dic/neologd/right-id.def から該当する ID を選択
    • 空にしておくと, mecab-dict-index が自動的に ID を付与する
  • コスト
    • その単語がどれだけ出現しやすいかを示す
    • 小さいほど, 出現しやすいという意味
    • 似たような単語と 同じスコアを割り振り, その単位で切り出せない場合は, 徐々に小さくしていけばいい

以下のコマンドを実行する。

$ /usr/local/Cellar/mecab/0.996/libexec/mecab/mecab-dict-index -d /usr/local/lib/mecab/dic/neologd -u user-dic.dic -f utf8 -t utf8 user-dic.csv
  • -d DIR
    • システム辞書があるディレクトリ
  • -u FILE
    • FILE というユーザファイルを作成
  • -f charset
    • CSVの文字コード
  • -t charset
    • バイナリ辞書の文字コード

/usr/local/lib/mecab/dic/user-dic/ ディレクトリを作成し、上記のコマンドで作成した user-dic.dic を配置。
/usr/local/etc/mecabrc に以下を追記。

userdic = /usr/local/lib/mecab/dic/user-dic/user-dic.dic

参考

分かち書き

$ mecab -Owakati input.txt > output_wakati.txt

Node.js から Mecabを使う

上記の手順で MeCab をセットアップしていることが前提。

$ yarn add mecab-async
let MeCab = new require('mecab-async');
let mecab = new MeCab();
let input = process.argv[2];

mecab.parse(input,(err,result)=>{
  if(err){
  }
  console.log(result);
});
$ node app.js "にゃほにゃほたまくろー"
[ [ 'にゃほにゃほたまくろー',
    '名詞',
    '固有名詞',
    '人名',
    '名',
    '*',
    '*',
    'ニャホニャホタマクロー',
    'ニャホニャホタマクロー',
    'ニャホニャホタマクロー' ] ]

Python3 から MeCab を使う

$ pip install mecab-python3
import MeCab
mc = MeCab.Tagger("")
print (mc.parse("形態素解析システムMeCab入門"))

MeCab.Tagger の引数に mecab コマンドの引数を指定することができる。
また、 parse の結果は文字列になっている。

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